僕はポンコツ負け犬男子。成績は悪いし、友達も少ないし、彼女なんてもちろんいない。でもそんな僕にも優しくしてくれる女神がいる。有加里さん。誰にでも分け隔てなく接してくれるクラスメイト。彼女は完全に勝ち組だ。家は金持ちだし、成績も優秀、この前なんか部活の大会で賞を獲っていた。休日に高身長イケメンとデートしていたなんて噂もある。だからこそ信じられない…僕が今、彼女のお家にお邪魔しているという事が…事の発端は定期テストだった。恐ろしい点数をたたき出した僕と僕の唯一の友達。放課後半べそをかいている僕たちに声をかけてくれたのが有加里さんだった。「私で良ければ、勉強…教えようか?」そうしてやってきた有加里さんの家。日々の言葉遣いから薄々気付いてはいたが、有加里さん…超お嬢様だ…こんな家、緊張しちゃう…!「お茶を出すのを忘れてた!ちょっと待ってて!」優雅に部屋から出ていく有加里さん。お花のような上品な匂いがする…そして僕と同じように落ち着きがない男が一人。同じく酷い点数をたたき出した僕の友達だ。「俺、良い物持ってきたんだよね」そう言って取り出したのは普通のチョコレート。これの何が良い物なんだよ。「これ、普通のチョコじゃなくて憑依チョコなんだよ」憑依チョコ…?何言ってんだこいつ。緊張しすぎて頭おかしくなったのか?「まあ見てろって…」何を企んでいるんだ?